食べ方学会を作るきっかけについて教えてください

そもそもはコミケありきですね。コミケの話をすると、まず僕は40歳を越えてからアニメにハマりました。それでコミケなるものがあると知って実際に観に行ったわけです。そうしたら現地でアニメの同人誌だけじゃなく、食べ物系の同人誌があるのを知ったんです。それでこの食べ物系の同人誌も面白いなと思って買っていました。

買っているうちに段々とコミケで同人誌を売る方に行きたいと思い始め、食べ物系だったら自分でも作れるなと思ったんで申し込みました。

自分は同人誌で何が出来るだろうと考えたときに、実は僕自身、食べ方の本は食べ方図説の前に一般書籍で「絶対にうまい食べ方」(中経文庫)という本を出しているんです。だから食べ方の本で出せると思ったことと、シウマイ弁当に食べる順番の数字を振るのが面白いと思いつき、それで申込んだら抽選に受かりました。

受かった後、サークルの名前はそのとき初めて食べ方学会と名付けました。今のところシウマイ弁当を中心にやっていますけど、たまごサンドだったり他の食べ方についても食べ方図説を刊行していこうと思っています。

もう食べ方図説の次のネタは決まっているんですか?

次回についてはカツカレーの食べ方を出します(刊行済)。カツカレーを食べるときって基本的にはスプーンとフォークじゃないですか。この世にある食べるための道具はスプーンとフォークとナイフや箸ぐらいだから、それを食事の際は出されるわけです。それに対して食べる我々は、これが一番合っていると思って食べてると思っていますが、実際はそんなことないと思うんですよ。だってカツカレーはスプーンもフォークも合わないじゃないですか。何が合うのかは分からないけど、そこに疑問を持とうってことを切り口にして内容を詰めています。

食べ方はちゃんと提示すれば面白いコンテンツじゃないかなと思っていますけどね。くだらないと思う方もいらっしゃいますが、意外とそこを深掘りしたら、禅の世界のようなカルチャーになると感じています。

例えばカレーを食べるときでも、ご飯とルーの食べ進める配分がピタッと終わらないと嫌なんですよ。ごはんよりも先にルーが少なくなってきていることがあるじゃないですか。それが嫌なので常に頭の中で配分を計算しながら食べています。だから久住昌之さんの漫画「かっこいいスキヤキ」はまさに目からウロコでした。

配分を考えながら食べていく習慣は、子供の頃から気にしていたことではありますね。食堂でたまたま周りを見渡したりすると、カレーを食べていても全く計算していない人もいるんですよね。

「それだとカレーを食べ進めて行くとご飯余っちゃうじゃん」って気になるじゃないですか。ごはんをわざと残しているんだったら良いんですけど、計算間違いで残している人がけっこういるわけです。

僕は何でそうなっちゃうんだろうと、以前から疑問に思っていました。でも頭の中で計算している人も、普通それを口に出しては言わないじゃないですか。「あ、ここでごはんが今余っているな、じゃあここで唐揚げ食べようかな」と喋りながらではなくて、全部頭の中でシミュレーションしている。でもそれをちゃんと言葉として出したら良いと思うんですよ。それが高じると、人がご飯を食べているところを実況出来ると思います。それこそゲーム実況みたいに出来ますね。

計算して食べている人もいるけど、していない人もけっこういます。していない人は食べ方図説みたいな本を見ると、こんなこと考えたことがなかったって言うんですよ。これから考えてみますと言ってくれる人もいるので、この「食べ方」という考え方は、今後人類の間に少しずつ浸透していくのかなと思っています(笑)