早園さんはデザインを学ばれたんですよね?

早園

そうですね。もともとは洋服のスタイリストになりたかったんです。デザイナーは無理だなと思っていて(笑)学科もスタイリスト科に行きました。そこでは一通り服の事を勉強しました。デザイン画の描き方やパターンの引き方、色彩学から縫製まで。そんな中でも皆でファッションショーを作り上げるのが一番楽しかったんですよ。一人1着必ず縫って、皆で徹夜して準備したり、モデルウォーキングを講師の方に習って練習をしたり、生徒も先生も真剣に向き合って開催していました。

今に続く原体験がファッションショーから生まれた。

早園

ファッションショーの経験が楽しかったのと、服を着るのがすごく好きだったので、モデルをやってみたいと思い、スタイリストは少し先でも、モデルは若いうちにし出来ないと思い、モデルの学校にも通いスカウトしてもらいました。モデルになると突然オーディションや仕事が入ったりするので、その辺の融通のきく親の会社でバイトさせて貰っていました。

親の会社では美術(テキスタイル)を学ばせてもらいつつ図案の作り方も自然に覚え、モデルをやる事でいろいろな服を着せてもらい、それが今に役立っています。オープン当初は市販の生地を買っていたんですけど、次第に市販のものだと表現したいものが限られてきちゃったので、自分で描くようになりました。

その今着られている服のパターンはどうなんですか?

早園

服のパターンはパタンナーさんにお願いしているんですね。パタンナーさんは現在で3人目です。実際に私のデザイン画からイメージから拾ってもらって具現化する人なんで、相性がや好みが似ていないと厳しいですよね。

余白というワードに対してどんなことを思い浮かべますか?

石河

久しぶりに余白を考えましたけど、余白って良い言葉ですね。好奇心かな。

早園

余白って体を動かしたりとか。そういうことかな。

石河

余白は余裕があるものですよね。

早園

余白は欲しいですね。私はいずれスペース的な余白だったり、時間的な余白が欲しいですね。

石河

もっと商業的なものとは離れたものだよね。

余白に関連して、やはり子育てを通してリズムや余白・隙間には変化がありましたか?

早園

私たちもそうだったよね。長男が生まれるまでは夜中の2〜3時まで仕事をしていて、それが無理になってきて。

石河

完全に仕事をする時間が減りましたよね。子どもが生まれると効率をよくせざるを得ないですよね。

早園

その分規則正しくはなってきますね。子どもが生まれる前は朝ももっと寝坊してたもんね。夜中に仕事をして出勤も午後にずらしたりして(笑)。そうしていたのが今は保育園に9時までに送り届ける生活なんで、9時過ぎから仕事をスタートするようになりましたね。

石河

夜もそんな夜中まで仕事が出来なくなりましたね。僕は家で過ごすことが多くなりましたね。一人目が生まれて少しずつ家で過ごすことが増えてきて、二人目が生まれたら完全に家中心の生活になりましたね。飲みに行く機会も減りました。昔は来る誘いは断らずほぼ毎日のように外に飲みに行っていたんですが、今では家族と家で過ごす時間が増えました。仲間と過ごす時間も大切な時間ですが、家族と過ごす時間もかけがえがない大切な時間です。

お二人目のお子さんの子育ても真っ最中ですよね?

石河

いま2歳です。

早園

お互い歳を取ってから出来た子どもだから可愛いよね。二人目だと余裕もあるし。

石河

可愛いですね。長男の時は気がついたら歩いてて、気がついたら喋れるようになっていて。

早園

私たちに長男が誕生したときは、ROUROU上海店が出来たばっかりだったんで、石河は上海へ行ったり来たりで忙しかったですね。あとはROUROU以外の事も表立ってやるようになった頃で。発展会もそのときだよね?

石河

あのときは法人会も一生懸命やっていましたね。今も席は置いているんですが、本業と発展会の仕事で、なかなか法人会まで時間が避けません。

早園

その活動をやり始めたばっかりだったから、私の中のイメージでは家には居ないイメージですね。

石河

そんなこともあって、長男は気がついたらいつの間にか大きくなっていて、すごく寂しかったんですよ。だからもう立つ瞬間とか、喋りだす瞬間を経験したいと思っても出来ないんですよ。

早園

あまりにも仕事が忙しくてそういう余裕がなかったんだよね。

石河

うん。いま二人目では味わってますね。一生懸命ママっていうのを塗り替えて、パパって言うように仕向けてますね(笑)。

お子さんが育ってからやってみたいことはありますか?

早園

そうですね。今はデザインや工場発注、時には店頭にも立ち催事にも行ってます。家に帰ってくると子育てもあるので、何だかもういっぱいいっぱいなんですけど、そう思うと辛くなるわけで。子どもといるときは仕事からの余白だし、会社に来たら子どもを預けて、いろんなスタッフたちと一緒に仕事が出来ることが幸せだと思っているんですけど、そうですね、やりたいことが出来るようになるのはどれぐらい先になりますかね。下の子どもが小学校に入るぐらいで、余裕が出来ると思うんですよね。

いま年1回で数日間だけなんですけど、長岡造形大学に非常勤講師で伺っていて、大学生の皆さんからすごく刺激を受けるんですよね。そうするといろいろ焦ってきちゃって。自分の仕事が気付かないうちにルーティンになっているんじゃないかって。毎月新作の企画を立てては工場へ発注する、それはそれで一番大切な事ではあるんですが、売るって軸とはまた別に服作りしてみたり、インスタレーション的な作品を作ってみたりしたら面白いだろうなって思っています。

石河

僕は世界をのんびり廻りながら仕事してみたいですね。ノマド的な。もちろん日本も横浜も大好きなんですが、世界のいろいろな景色を見て、人々とふれあい、見つけた素材を使ったり、そこに身を置く事でインスパイアされたアイディアを元に物作りをしたりをする事が出来たら最高だなぁと思います。

結婚してもすぐにROUROUを始めたこともあり、僕たちには子供がしばらくできませんでした。「もしこのままできなかったら、いくつか世界中のあちこちに小さなアパートメントを借りて、それらの家を住み歩いてもいいよね」、なんてマキと話してました。

その後長男ができ、落ち着いて来たら今度は次男も出来て、なかなか子供連れて世界を回るという訳にはいきませんが、いずれ子供たちから手が離れたら、ノマド的な仕事の仕方もいいな、と今でも思っています。