そもそもなぜ、息子さんの名前を何故お店の看板にしたのでしょう?

まず前提として、事業は経営理念を実現するためにあるものでその中で利益とは必ず必要な血液みたいなものだと思っておりますが、田舎で育った私にとって利益を上げることは、少しやましいところや、人のものを奪うような印象になりがちなんですよね。やっぱり利益になることをする上では、どのような方法で利益を出していくのか考えると、より正しいことをやって利益を出していきたい。だから自分の息子の名前を店名にすれば、悪いことをしてまで利益を得ることはしないはずと考えたんです。だから利益さえ出せば良いという考えではなく、社会的にどのように役立つことを実現するために利益を上げていけるか。

そういうことを実現するためにも、やっぱり息子の名前を入れることで、自分の息子が悪者になりますようになんて願いませんよね。そうであれば息子が世の中に出たときに、胸を張って生きれるような事業として向き合っていった方が良いという想いですよね。やっぱり子供を育てるように事業にも向き合って、この事業の人格が世の中に必要とされるようになっていってもらいたい想いもあります。

Twitterで集客をするようになった

Twitterで集客が出来ると聞いて、「えー!そんなわけいでしょう」と思ってたんですよ。そうしたらその実例で税所さんに会って、それから当時豚組で話題になっていた仁さんにもお会いして、そこから「えー!出来るんだ!」みたいな感じで。じゃあやってみようとTwitterでの集客を始めました。Twitterで多分やり始めたのは、都内だと3番目だと思いますよ。一番目は豚組、2番目は税所さん。で3番目な格之進みたいな、そんな感じだと記憶してます。

ターニングポイントになった東日本大震災

大きくターニングポイントになっているのは震災ですよね。震災で大きく今後の生き方だったり組織のあり方や今後の事業を考えましたよね。幸いにも建物の倒壊や従業員が亡くなる等の物質的な被害は少なかったんですが、ただ電気が止まってお肉を廃棄したり、数千万単位で被害がありましたよね。それと卸売のところで流通が一旦破綻したので、卸売先が全部なくなった結果、売上は無くなりましたよね。

そこからもっと東京と岩手をつなぐようになったのですか?

千葉

そうですね。そういうことを意識することが強くなりましたよね。だからそれまでは自分の牧場だけを考えてやっていましたけど、岩手の地域全体を東京とつなぐかたちにシフトチェンジしていったのはその時期でした。

そこからお肉だけじゃなくて農産物も含めて、しっかり伝えていくことに使命があると思うようになりました。もちろん元々思ってはいたけども、それがさらに力強く思うようになり天命だと想うようになりましたよね。

僕らがやろうとしていることは、日本人として頑張って得たお金を、消費を通じて未来の食を支えている農業へ投資活動に参加していただいているという事実を認識してもらい消費者と生産者を繋ぐプラットフォームになっていくことを目指しています。

解体ショーを始めた意味

和牛の真実を伝えていくときに、お肉に強く興味を持ってもらうための手段として、お肉の解体ショーは今までなかったものだと思うんですよね。お客様には、お肉って身近な存在でありながらよく分からないことが多い食材だと思うんですよ。

そういった中でお肉はこういうことなのかとか、なるほどと思うようなこともたくさんあると思っていて、そうは言っても、まずは手始めにお肉の正肉ってものに興味を持ってもらいたい。それに牛肉は比較的に高いじゃないですか。その高さの理由を知ってもらうためにも、お肉が解体される行程を実際に見て、10キロの物から6キロしか食べれないんですとか、そういったところをしっかり伝えていくことが重要だと思ってやり始めました。

最初にやったのはだいぶ前ですか?

千葉

そうですね。解体ショーを初めてやったのは、格之進Rが出来てからなので、もう十数年経ちますよね。

なぜ熟成のお肉に目を付けたのでしょう?

千葉

私自身思っていることを、やっぱり奪い合うビジネスには、あまりモチベーションが上がらないし、人のものを奪うのってワクワクしないですよね。どれだけ売り上げが上がるかだったり、あそこのお店のお客さんを全部囲い込むぞ!みたいな考え方ではなくて、楽しいことをやっていて、そこに周りの人たちが楽しそうだからと寄ってくる。この感覚が非常に重要だと私は思っているんですよね。

焼き肉という名のレッドオーシャンを生き残る術とは

実際大変ですよね。特に食は扱っていたり人に接している人たちってロジックでやっぱり判断しきれない。エモーショナルな部分で頑張ったりする部分があるので高給だからやりますって、そういう単純な話じゃないところがありますよね。どうしても時間も労働集約型の決まった時間で、生産効率よくものを作れば利益が出るっていうビジネス構造ではないわけで。あくまでも雨が降ったらお客さんが来なくなる場合もあるし、予約が入ってもキャンセルになることもある。そういったなかで最適化を測っていくのは結構難しいことだと思うんですよね。やっぱりそういった中で食育に対しての意識であったり、人に喜ばれる楽しみ、喜びみたいなものが自分の中でモチベーションなる人であれば、飲食は向いてるんでしょうね。

今も家電メーカーさんとお肉を焼く機械を開発したり、脳科学者とハンバーグを開発したり、いろんな方々と協業しながらイノベーションを引き起こそうとやってます。

さまざまな業界とのコラボレーションを考える

うちの場合は飲食店をやっていて、やっぱり皆さんがお客様として来てくださるので。そのなかでそれこそ望月さん(編集長)ですよ。望月さんみたいに面白がって貸切でやってもらえると、特別なイベントが出来るじゃないですか。そうすると望月さんには望月さんの仲間が来るから、変な人ばっかりくるわけですよね(笑)。そんな変な人たちと話をしていると、何か面白いなって思ってくるわけです。だから本当にそういった意味で、私にとってすごくラッキーなことは食べるってことを提供出来る。その食べることを通じて体感してもらうことが出来るんですよね。

自分がやっていることは飲食なので、私たちの思想や考え方を味わいで感じることができるわけですよ。うちの接客を受けながら、サービスで感じることが出来るわけです。これってものすごく伝わると思いませんか。多分言葉を並べて文章で出すよりも伝わるんですよ。そういったなかで信頼関係が出来て一緒にできたらいいねとか、「え、そんな事やってんの」みたいな話になるわけですよね。

そう言う意味では僕と似てますよね(笑)

千葉

そうそうそうそう。自分のビジネスもそうだけど、自分がいいなと思っている人同士が一緒になって、新しいイノベーションを起こすところの火付け役になると、けっこう楽しくないですか。やっぱりそこで様々なイノベーションが起きたりとか、派生して仕事になったり、やっぱり自分がやる時に応援してくれたり、いろんな関係性があるじゃないですか。