利他主義を心がけるようになったきっかけ

事業をやっている中でいろんな勉強をしていくと、我田引水みたいなことはよくないみたいな話や、事業って世の中のためにやってるんだと道徳のような話が出てくるわけですよ。その前にそんなこと言っても社員の給料とボーナス、働く条件を良くするために、もっともっと利益上げてやらなきゃと思っているわけじゃないですか。

でもそれ以上のことが見えてきたときに、当然社員の給料やボーナスや働く条件っていうのは良くしなきゃいけないし、それがゴールではないわけ。最近考えることって何かというと、関わってくれる人たちが、いろんな形でハッピーになれるかどうかってことだと思うようになったんですね。働き方がしっかりしていれば、家庭での幸福度が上がるかもしれない。でもこれはスタッフのいろんな考え方があると思うんですけどね。

学生の頃も色んな仕事してましたけど、こうやって事業をやっているときに、結局社員がどうやったら一生懸命自分のこととして楽しんでくれるか懸命に考えました。過去の私は、利益があれば会社の借金を返済したり社長として人並みの生活をしたいから頑張るという思いが強かったですがそれだと社員は頑張れない。私のような中小企業その思考でいる限り事業の健全な成長がしにくいと想うようになりました。

社員や協力会社さんやいろんな人たちに還元している会社こそ、伸びているんだってことが改めてわかりました。だからこそ自分が収入を得たいんであれば、それだけ社員や働く環境を整えてあげることの方が、優先順位高いと思うようになってきましたよね。

東日本大震災が起こり事業を転換しようと思ったときに、みんなが納得して喜んで働いてくれる場所作りをどのように作っていくのかが重要なんだと改めて思ったんですよね。 

貢献することも当然意識してるんですけど、貢献のためにやってるというより結果貢献している形になりたいと思っているんですよね。みんなそれぞれ最適に生きているし、皆完璧に生きているから、私が社員に何かしてあげるなんてすごくおこがましい話だなと思っています。

あくまでも自分たちのやりたいことをやった結果、社員がハッピーになり、協力会社さんがハッピーになり、取り巻く環境がハッピーになり、私の地元だったら地元の人たちがハッピーになるような、結果的にそうなることがいいなと思ってるんですね。

格之進を知っていただいている方には「地方創生事業素晴らしいね!」って言って頂けることが多いのですが、私達としては地域創生は当然やるんだけれどもそれはあくまでも私の経営理念を追求した結果、そうなることがベストだという話であって、一番重要なことは経営理念をどう達成するのかってことだと思うんですね。その結果は経営理念を達成する行程の中で、世の中や社会、協力会社さんや様々な人たちがハッピーになる事業に、どのように構築して行くかが経営者の仕事かなと思うようにしているんですね。

「食」のリテラシーを上げていくために必要なこと

食リテラシーを上げるような活動を食に携わってる人間が注意喚起をしていくのか、覚醒させられるような活動になっていくのか。消費者の消費行動が変わったら、日本の農業は変わります。そういった意味で消費者に正しい情報を伝えていく。それも解体ショーの始まりの目的だったんですよ。

本当に消費者が賢くなって、島国日本って限られたところで得たお金を、それも国が外圧から守っている中で得たお金を、消費を通じてどこに投資をするのかってことです。そこをやっぱり賢くなってもらうことで、安ければいいのは確かだし、安くて美味いのが正しくて正義なのは分かるけれども、ただそれを選択した結果で今の農業の実態があるじゃないですか。

そういった意味で農業は国力なわけですよね。農業は国の力じゃないですか。そういったものを考え、食の選択をどのようにしていくのかは非常に重要だと思ってるんです。だからその食の消費という部分を考えて、どのように自分たちがやるべきなのかだよね。その中で私のように消費者にダイレクトに向き合っている仕事をしている人たちは、やっぱりそこの部分をやることが使命なんじゃないのかなと思うんですよね。

そういう意味では、どちらの代弁者も可能ですよね。

千葉

そうです。そのプラットフォームになっていくべきなんです。ベストな選択が出来る方法を、どのようにやっていくかが重要だと思っています。それを実現するためには、望月さんのような方々が集めてくれる人たちって、望月さんが良い例なんですよ。そうするとこのおじさん面白そうと重要なお客さんや友だちなどいろんな人を連れてきて下さるじゃないですか。

連れてきた段階で、もう友だちとして紹介してくれるような感覚だと思うんですよ。「俺肉おじさんを知っているんだよね」みたいな感じで。そうするとみんな、望月さんの友達は友達みたいな感じになってくれて、そこからすぐ仲良くなるじゃないですか。だからこういうのはすっごく有り難くて。よくよく名刺交換してよくよく話してみたら、すっごく面白い人たちばっかりで、望月さんの紹介でまた色んな関係性が出来ているわけですよ。

それがありがたいのが、みんなおもしろそうとか、なんか面白そうだよねと紹介したいと思ってくれている。”使ってやっているぞ”みたい感覚よりも、格之進の場合は楽しんでくれているし、「面白いんだよね、あそこのおじさん」「肉も美味いんだよね」とか言いながら、どちらかと言うと使ってやっているというよりも、ファンになってくれている感覚があって、そういった中でコミュニケーションが取れているので、すごくお肉のイノベーションが起こしやすいんですよね。

平林

やっぱりその場の雰囲気と食べ物が美味しいと、そこで話すことも自然と前向きなものになってますもんね。

千葉

そうだよね。愚痴を言う飲食店はそういう雰囲気にならないもんね。うちの店で愚痴言う人って、「うちの店で愚痴言いながら食べている雰囲気ってある?」

店員A

いや、ないです。

千葉

ないよね(笑)!お肉をメディア(触媒)として交流を深めたり、前向きにこんなことしようみたいな話が多いよね。

ご自身の余白についてはどう捉えていますか?

余白という表現が適切かどうか分からないけど、私の中では事業以外でダイレクトにお金が発生しないところに対して、どこまでやり切れるかだと思うんですよ。例えばそれは人のつながり。私は本当にいろんな人といろんな人をつなぐことを、全くうちの売上に関係ないのに結構やるんですよ。必ず対面で話をしていて、この人は良さそうだと思うと、例えばこんなことしたいんだよねと言われたら、この人を紹介しようかみたいな感じでやるんですよ。

あとは牛でのイノベーションを起こすためには、利益を上げるところに固執しない方が、結果的にワクワクして事業に繋がっていくってことが多いです。だから売上にダイレクトで関係しないところで本当に心から楽しんでやれるってことが、余白といえば余白ですかね。それがあるから多分いろんなイノベーションやいろんなモノが生み続けられて行くんだと思っているんですよね。

余白に少し近いですが、気分転換はどんなことをされてますか?

千葉

気分転換はないですね。結局いろんな仕事をやっているから、仕事が気分転換ですね。昔はスキーをやっていました。それこそ学生の頃は、私からスキーをなくしたらもう廃人だって思うぐらいで、スキーが出来なくなるから社会人になるのが嫌だと思っていたんですよ。あのころは週に3日は最低でもスキーをしなかったら死んでしまうと思うぐらい、スキーをやっていたんですよ。

だから、僕も社会人になってからこんなにスキーをやらなくなるなんて思ってませんでした。それぐらいすごいスキーと釣りが好きだったんですけど、今は釣りもスキーをやる時間があったら仕事しちゃいますね。しかしさすがに電池切れする時もあります。電池切れすると、何もやらない日というわけじゃないけど、ボーッとしているかな。基本はずっとワクワクしながら仕事をしてます。