もし実際に24時間以上時間があったなら

妹尾

あと1時間か2時間ぐらいプラスであると、本を読む時間が出来たりするかなって。

小沢

その分仕事するだけじゃない?

妹尾

夏休みは、それくらいでちょうどいいって。子どもたちの夏休みの時期は特に忙しいです。普通の仕事に加えて、子どもの相手もしたあげく、宿題の進捗管理なんかもあるので、本当に忙しい。

小沢

たしかに子どものごはんも大変だった。一日最大で5回ぐらい台所に立たなきゃいけなくなるんですよ。

ちょっと一人でリラックスする時間など、時間はうまく作ってますか?

妹尾

たまに。今日は飲み会に行くから子どもはお願いねとか。

小沢

何とか凌いだ印象です。

さっきの話で、1日に最大で5回も台所に立つ日があるのはビックリです。

小沢

子どものお弁当なんかが入ってくるとそうなるんですよ。

妹尾

まあでも小沢が懲りすぎなとこもあります。よくママ友に凝ったお弁当を作らないで!とか言われてたし。

小沢

子どもが保育園のころ、お弁当を作らないといけない日の朝は辛いから、みんなで早くからLINEで愚痴ってたんですよ。そこにみんな出来上がったお弁当の写真を送る。そうすると僕が作ったやつに、凝りすぎ!ふざけんな!ってレスがついて(笑)

もちろん、お互い冗談だとわかっているので、それでこじれたりはしませんよ。

LINEでグループを作ったとき、LINEの未読問題があると思うんですが、実際はどうなんですか?

小沢

それは慣れというか、特にないですね。気付いてないだけで、あったのかなあ。

妹尾

みんな大人だし。うちに来ているアシスタントの子が自分が通っていた高校のLINEグループがあり、そこには何十人といるらしいんです。そのグループにしょっちゅうLINEが入るらしいんですけど、未読のままにしているらしく。その子は全然気にしてなくて、私はそういうキャラだから大丈夫ですと言ってました。見ないキャラと見るキャラがいるじゃないですか。だからそういう見ないキャラを作っちゃえば、別に何も言われないんじゃないかな。

小沢

うちが連載していたスティーブズの原作者の松永さんは、松永さんもお子さんも私たちの10歳ぐらい上で同じ保育園に通っていたんですけど、保育園の親同士は、仕事も一番忙しくて、仕事もノッている時期かつ一番大変な時期に、子どもも小さくて同じような時間を過ごした戦友だって言ってました。未読うんぬん程度で気分を害する暇なんてなかったんじゃないかなあ。

そんな形で戦友感覚になるんですね?

小沢

お弁当のLINEをしていたグループとはいまだに仲良くて、家族ぐるみでよく遊んでます。

妹尾

子どももずっと同い年だから、ライフステージで起きる問題もだいたい同じだしね。

小沢

今の小学校のLINEグループでも、明日の持ち物を確認したり、メリットの方がぜんぜんある。

妹尾

そう。子どもが宿題を学校に忘れてきたんだけど、今日の宿題なんだった?とかも確認出来る。子どもに聞いても要領を得ないことがあるじゃないですか。昔ながらの電話連絡網もあるんですが、それが回ってくるはるか前にLINEグループで情報が共有されます。

でも、それって絶対今だから出来ることで、昔だったら絶対ないですよね。

妹尾

あり得ないですよね。

小沢

すっごい便利ですよ。

子どもが成長するにつれて

妹尾

そうですね、でも別の悩みや大変さが出てくるのはありますね。小さいころは子どもが死ぬかも知れないみたいな不安でしたけど、今は言うことを聞かないとかいくら言っても宿題をやらないとかですね(苦笑)。

自分たちのころと、お子さんの学ぶ内容も変化がありますよね?

小沢

子どもがやっている勉強を一緒にちらちら見ながら、ああ随分違っているとか、鎌倉幕府って本当に1192年だけじゃなくなっているんだみたいなことなど、いろいろ細かいアップデートがあって楽しいんですよ。

たまにSNSなんかで話題になる理不尽な間違いの指摘みたいなことって、実際にありました?

小沢

定規を使う問題では1回だけ言われたことがある。定規で引いてないからバツになってました。何でですかと一応理由を聴くと、3年生になったらOKにしますって言われました。要は小さい子が手書きで書くと線が斜めに上がっちゃうことがあるそうです。そうすると桁がずれちゃうから、揃えさせるために定規は使っていると。その場で見せられた答案が、本当に曲がっていて「まーしょうがない」か、となりました。理想はきめ細やかな個別指導だとしても、そこまでを今の公立学校の体制に要求するのも酷かなって。

ちょっと生活を俯瞰してみると、何か発見があるかも

妹尾

そういうのも育児ものの漫画も描いているので、細かいネタを拾おうとして、注意して見ているかも知れないですね。

小沢さんは「俯瞰」で何か思うエピソードはありますか?

小沢

ここ10年ぐらいバタバタバタっと親とか祖父母が亡くなったんですよ。それこそ親族の数が一気に半分に減るくらい。そうなって人生のスパンを少し俯瞰して見えるようなったとは思います。短い長いはいろいろあるけれども、これぐらいか、という人一人当たりの人生の長さが、実感を伴って掴める感じがしてきました。

いまはずっとSNSなどでつながることが出来る時代なんで、どこでもずっとつながるってことが良いのか、悪いのかって思うことってないですか?

妹尾

子どもの友達で、少し年上の子がいるんです。その子が、中学生に入るときだったかな。好きだった男の子が引っ越しちゃうから遠恋になっちゃうって悲しんでるんですよ。どこに引っ越すの?って聞くと「渋谷」だって言う。渋谷なんて30分もあればいけるじゃん、ということはさておき「LINEでつながっているんでしょ?」と聞いてみたけど、そうじゃない、と言う。SNSは十分日常のリアルなんだけど、それでも子供にとって渋谷は遠くて、結局、さほど変わってないのかなって。