そもそもなぜ丹波に移住をしようと?

丹波に来たことはたまたまで、大前研一さんのビジネスブレークスルー大学院大学で経営学を勉強していたときに農業経営が出来ないかと考えていました。農業経営をするために色々と情報収集をするなかでフィールドワークがどうしても必要になり、丹波の地元の人たちの話を聞きに行きました。実際にどのくらいの苗の金額なのかなどの細かな原価を数字で出せるようにヒアリングに行ったのが、丹波とのご縁です。

その縁で知り合いも出来たし、農業もホンマにやったほうがいいなって気持ちもあり、会社を辞めるときに移住先は、そのまま丹波にして農業を始めるつもりで選びました。丹波に住んだのは2010年8月からなんでもう少しで9年ですね。そのときは全然家族とは仲良しでしたね。そのあと奥さんが自分に振り回されて、結果的に許せない気持ちを持ってしまい、最終的には32歳のときに離婚しましたね。

丹波市議も30歳から34歳のときなんで、もう終わってから3年ほど経ちますね。2012年11月4日に新聞を見て「あ、二週間後選挙らしいな」てことでイマイチ盛り上がってない状況でした。立候補している候補者のうち最年少が51歳だったということで。みんなに若い人が出たらいいじゃないですかと言ったけど、結局誰も出ないのでじゃあ出るかと、即席で急に立候補したらものすごく周りに支えてもらえることになって、運良く当選しましたね。本当に人生のありがたいネタですね。

議員になる前となった後で身についたことは?

世の中で責められる立場にある人達がいかに心を砕いているのか想像をつけられるようによりなりました。それ以前にも転職のアドバイザーをしていたので、たくさんの立場の人達の話を聞いて、いろんな人たちがいろんな想いで真剣に転職活動をやっていて、上手くいかないことがあって、すごくお互い残念な想いになることがよく起こることが分かっていたんですが。行政職員ってものすごく批判の対象になるけど、彼らは本気で街を良くしたいと思っていると思います。でもやっぱり1%に満たない過失を起こす人たちの失敗によって全員が悪者になってしまうことがあります。さらにそれで全員のテンションも下がっているなかで、サンドバックで殴られ続ける感じになる可哀想な状況があることも感じますね。

それがどういう状態でどういうことが起こり、こうなった結果すごく良い人も悲しいことになってしまう現状についてけっこうみんなに説明が出来るようになりましたね。僕自身がリアルな情景が思い描けますからね。決してみんな悪者じゃないし、みんなお互いに良い状況をつくりたいし、幸せになったらいいと願っているけど、難しいこともあるってことが議員をやるとよく分かって、語れるようになったと思います。

今はどんな生活スタイルなんですか?

東京には週の2-3日ぐらい暮らしていて、丹波には週2日ぐらい、あと残りで日本のいろんなところにいます。基本的には東京と丹波で二拠点生活をしていますね。

二拠点生活が明確になったのはここ一年半ですね。週3日でデンソーの東京支社で社員として仕事をやるようになってから東京にも居を構えました。それまでも丹波市議会議員をやっていた頃から月に1〜2回東京には夜行バスで来ていました。首都圏から移住したい願望のある人たちを見つけてはスカウトしてましたね。丹波市議をする前はリクルートキャリアで働いていて大阪の梅田勤務でした。そのときはまだ結婚していて、鶴見と梅田を往復するのみの生活でしたね。味気ないと言えば味気ないですね。大阪以外には出ないみたいな感じですね。

キャリアコンサルをしていたことで今に活かされていることってありますか?

あるある。すごくあります。そもそも人の話を聴くことの所作はそこで勉強させてもらいました。やっぱり実践を毎日繰り返していたのでそれが良かった。最高で1日で新規面談を7件入れて、我ながらむちゃくちゃやなと思うこともありましたね。

地方と東京ではどちらが生きづらさがあるのでしょう?

僕は東京のほうが多いと思いますね。ただ東京のほうが多いけど、東京のほうがよりその恐れが強いですね。だから地方は地方でも恐いけど、とりあえず打ち手もないし、やっちゃおうみたいにちょっとハードルが低くて飛び越えてきてくれます。東京で小商い塾をやってみると意外と人数こんなに多いのに、成立しなかったことが結構あるんですよ。

要は4〜5人ぐらい集まってくれないと対話の時間が取れないわけです。無料体験会とか勉強会を東京では20人ぐらい参加してくれても、最終的な参加希望者が1〜2人になってしまう。僕のしゃべりが下手ってこともあるんですけど(笑)。田舎やと8人来て5人くるとか場合によっては6人来て6人来るみたいな感じの場がある。すごく関心も高いし、地方のほうが「せっかくだし、やっちゃおう」みたいな踏み出す力が値段設定は変わらなくても強い。

東京のほうが情報が多いから、耳年増みたいになっていて、それ聴いたことある、それってこうなんだよねみたいなことを言って、ある程度今までのイメージのなかのやつとくっつけて、今度にしようと言う人たちの割合がすごく多い感じがしましたね。情報に触れている人たちはセミナー難民のようなものかもしれません。

地方も同調圧力が強いけど、すごく東京は同調圧力の強いところがあると来てみて感じています。結局はお金のために東京から離れられない人たちは多いなとは思うかな。それはやっぱり怖れが強いなって思いますね。

東京の人は地方に行くのを怖がっているのかな?

それはあるかもしれません。それは一つには都落ちという言葉を未だに言っているような価値観があります。東京にいたほうがステータス的に良さそうみたいなところがある。地方に戻ると仕事はないって言うんですけど、じゃああなたたちが若い頃に自分より学力が低く、都会に出る機会がなかった同級生たちは稼ぐことが出来ずに仕事をしてないのかと。地方でも他の仕事はあるし、別に食っていけるわけで、深掘りをすることなく思考停止してそこに暮らしていますよね。それはすごく自分の可能性を狭めているなと思いますね。だから満員電車にわーっと乗って、わーっと仕事が始まって、わーっと一日が終わって毎日過ぎていくからあっという間に歳を取っていくんだろうなって思いますよね。